〜おわりに〜 CBガイドブックより
『自分たちが暮らすまちで、家族との生活も大切にしながら、まちが元気になる仕事=コミュニティビジネスをつくりたい』
私たちNPO法人Mystyle@こだいらは、そんな想いから平成18年に活動をスタートしました。
立ち上げメンバーは、PTA活動で出会った母親たち。熱意とやる気満々にスタートし、さまざまな活動を通した出会いの積み重ねの中で、活動メンバーの幅が広がるとともに、地域の中に多くのつながりをつくることができました。
向こう三軒両隣の和気あいあいとしたご近所づきあい。おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまでの3世代同居の大家族。
かつてまちのなかに普通にあった暮らしは、時代の変化に伴って、いつしか思い出として語られるようになりました。
時代の変化の中で、便利さや豊かさを手に入れるかわりに、何かをなくしてしまったかもしれない私たち。
いま、同じものを復活させることは難しいかもしれませんが、新しい手法で、地域のつながりをつくり、信頼と安心をベースとした暮らしを取り戻すことはできるかもしれません。
私たちは、その実現の可能性をコミュニティビジネスに見出し、その活性化を目指しています。
そんな中、このたび、小平市の「いきいき協働事業」の制度がスタートし、みずから提案したことを、市とともに協働事業として実施する機会をいただきました。
本事業は、以下の3つの事業の柱のもとに実施されました。
1.地域の方たちにコミュニティビジネスを知っていただき、まちへの思いを語り合う対話の場をつくった「コミュニティビジネス入門講座」。
2.みずからコミュニティビジネスを起業し、まちの課題解決に挑戦する方たちの学びと実践の場である「コミュニティビジネス起業講座」。
3.小平に暮らす市民の方たちの率直な意見を聞き、今後の小平のコミュニティビジネスの可能性をさぐった「調査事業」。
本報告書は、これらの事業の集大成としてとりまとめたものですが、報告書ということだけではなく、これからコミュニティビジネスを始めようという方たちにとってのガイドブックとして、また、コミュニティビジネスに関心を持つ方への参考資料として活用していただけるものを目指して作成しました。
折りしも、この報告書を作成している最中に、東日本で大震災が起こりました。被災地の方たちだけではなく、全国の人たちにとっても、この未曾有の災害を乗り越えるために、長い復興の活動への挑戦が始まりました。
いま、私たちは歴史的な変化の真っ只中にいるのかもしれません。時代の大きな変換点の中で、今後、コミュニティビジネスが果たす役割は、ますます大きなものとなっていくことと思われます。本書を多くの方の手にとっていただき、まちの元気づくりの一端で役立てていただければ幸いです。
平成23年3月
NPO法人Mystyle@こだいら
代表理事 竹内 千寿恵