小平のコミュニティビジネス:ワーカーズコレクティブ「歩」



地域に根を張り17年。

ワーカーズコレクティブの草分けともいうべき「歩」の歩みをレポートします。

 


青梅街道駅から徒歩1分。青梅街道沿いにある小さな小さなクッキーのお店「歩」。
おいしくて安全なおやつを提供したいという思いで17年間。
良質のクッキーを愛するファンは多い。


所在地 小平市小川町2-1846青木ビル1階
電話&FAX 042-346-2468
営業時間 10:00〜18:00
定休日 日曜、祝祭日
HP http://ayumiwoc.cool.ne.jp


最初は、お弁当作りから

1982年わが国第1号のワーカーズコレクティブが、神奈川に誕生した2年後、「歩」が生まれました。
現在は小平で順調に収益を上げている「歩」ですが、最初からクッキーの店としてオープンしたわけではありません。

当時、生活クラブ生協の委員活動などを精力的に行っていた奥野さんらに、生活クラブ生協から「ワーカーズコレクティブという働き方はどうか」という声がかかりました。
奥野さんらは、「雇う、雇われる」とは異なった自立した働き方に魅力を感じ、生活クラブ生協の業務請負として、お弁当やクッキーなどを作るようになりました。
これが「歩」のスタートでした。

「歩」のはじまりがお弁当とは、意外ですね。
でもこだわりを持ち、仕事がていねいな「歩」のこと。さぞかしお弁当もおいしかったことでしょう。
ちょっと食べてみたい気がします…。


クッキー一本でいこう!

3年ほどの試行錯誤の末、1987年

「クッキー一本でいこうよ!」

とメンバーの意見も固まってきました。

「クッキー作りにこだわろう。」、そうメンバーが決意したのは、
「おやつも食事と同じ毎日食べるもの。生活クラブの材料を生かして、おいしくて安全なおやつを提供したい」
という気持ちからでした。


小平にお店誕生!

さらに3年たった1990年、青梅街道駅の前に念願の店を構えることができました。
当時小平に住んでいた奥野さん、望月さん二人の願いは「職住接近」。
子育てをしながら仕事を持つということは、「職住接近」が大きなポイントでもありました。

突然の子どもの発熱などで急に人手が足りなくなることはもちろん、幼稚園に迎えに行ってまた店に戻ったり、店で子どもを遊ばせておいたり
「後から考えるとハラハラしちゃうようなことがたくさんあったわよ」
と奥野さん。

働き続けることができたのも、住んでいる地域で働く「職住接近」にこだわったからかもしれません。
また、ご自身のそういった経験から、家族を持ったスタッフには理解があります。


小平にお店があるということ

現在、通販や大学生協の店などでもクッキーを売っているので、お店での売り上げは、全体の売り上げの3割に過ぎないといいます。

それでも「小平の地に店を構えている意味は大きい」と奥野さん。

地域の中にお店があり、おいしくて安全なクッキーを作っている。
そして
「こんな働き方があるんだよ」
とアピールできること。

それがここにお店のある意義だと語ります。


素朴だけではない、奥深い味

「歩」では、季節感を生かして少しずつ商品を入れ替えながら常時30種類のクッキーをそろえています。
味は、「なつかしくて、おしゃれ」。
一口食べれば「あ〜なつかしい味」「素朴ですね」とお客さんから声が出ます。なつかしい味と感じるのは、添加物を使っていないからでしょうか。

誰でも一度は作ったことのある手作りのクッキーの素朴さ。
しかし「歩」のクッキーはそれだけでは言い表せないように思います。
積み重ねた経験と常に新規開発を目指して研究に余念のない姿勢が、マンネリを防ぎ、家でもできない新しいおしゃれな味を生んでいるのです。

最後に、うれしいのは、どんなときですか? と聞いてみました。

「みんなで研究して苦労した商品がたくさん売れたとき。努力の成果が数字で出ればやはりうれしいですね」と奥野さん。
「『おいしいですね』お客さんのそんな一言も励みになる」とも。

これからも私たちの声を励みに、小平の地から、全国に向けておいしいクッキーを届けてほしいものですね。



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