マイスタイルワーカー

マイスタイルワーカー
バックナンバー
自身の病気と戦った20代、
両親の介護と子育てに一生懸命だった30代…

さぁ、これから自分のやりたいことを!と思ったとき、仕事へのハードルはとても高いものになっていました。

たくさんの回り道のあと新田さんがみつけた場所は…
 新田明美さん


緑豊かな玉川上水沿いの自宅でゲルマニウム温浴のサロン
リフレッシュガーデン ピーチ」を経営。
自身の体験をもとに、主婦でも無理のない金額にこだわり、妥協のないサービスを一般価格の半額ほどの料金で提供している。

所在地 東京都小平市小川町1 -502- 37
電話&FAX 042 - 343 - 8664
営業時間 10時〜20時(完全予約制)
定休日 日・月
HP  http://www7a.biglobe.ne.jp/~snet/salon/

  

闘病のなかで過ぎた20代
武蔵野美術短期大学で学び「将来はディスプレーヤーとして活躍したい。」
と希望にあふれていた20歳のとき、甲状腺の病に倒れ、入院生活が始まりました。

「退院のときに、お医者様から、何もしちゃいけないよって、言われたんです。
朝起きると、息が詰まるような苦しさで…」


一時は車椅子の生活だったこともあった新田さん。

「20歳から8年間、闘病しました。
大学の同級生はどんどん華やかに活躍の場をひろげていくのに、
自分は平凡な生活しかできない。ほんとうはとても負けず嫌いなんです。
なのに何もできないつらさがとても苦しかった。」


やがて病も癒え、20代後半で結婚。
新しい暮らしに夢を膨らませていたのですが…


30代は両親の介護と子育て

「結婚後、二人の子どもに恵まれたのですが、
まもなく両親が相次いで介護の必要な状態になってしまいました。」


二つの病院にそれぞれ入院するご両親の介護に通い、やがて自宅での介護も始まりました。

「まだ子どもたちも小さくて、
いつ寝たのかもわからないような暮らしが7年ほど続きました。」

そんなときに助けられたのが立川の
たすけあいワーカーズこっとん

「有償ボランティアとしてお願いした、わずか2時間の自由時間でしたが、
精神的にも肉体的にもとても救われました。」

このときの体験が現在の仕事にもつながっています。
主婦業に仕事、子育て、介護…。女性はたくさんの役割を同時進行に担っています。
そんな暮らしだからこそ、ホッとできるひとときが大切。

自らの体験を根底に、女性のためのリフレッシュ空間を、
それも、主婦にも通える料金設定にこだわって!
現在の新田さんの仕事に対する考え方の原点はこの時代につちかわれました。


自分でやるしかない

40代になって、新田さんは社会への一歩を踏み出します。
いくつかの仕事を経て、住宅会社の正社員として念願の図面を書く仕事を得たのもつかのま、
1年で会社が倒産。45歳のときでした。

「雨の日も、毎日、毎日、仕事を探しました。派遣にも登録しましたが、
45歳の派遣の女性なんてごみ扱いです。」


派遣会社の若い社員から無造作に投げかけられた言葉に
唇を噛むような悔しさも味わいました。
45歳なら45歳なりのつみかさねてきた経験があるのに…。

「自分でやるしかない!って思いました。」


ゲルマニウム温浴との出会い

仕事を探し続ける毎日に疲れてしまったある日、
「癒されたくて」ゲルマニウム温浴を初めて経験しました。

「これだ!」ってピンと来て、
さっそく出向いた開業サポートのサロンで 開業予定を聞かれた新田さんは、
その時点ではまったく予定がなかったのにも関わらず
「はい!やります。」と即答。

思い立った後の行動は迅速でした。

「都心のさまざまなサロンに飛び込みででかけて行きました。
田舎からでてきたんですけど、サロンを開業するには、
どうやったらはじめられますか?って(笑)。
親切に教えてくれるお店が多かったですよ。」

見学したお店の多くはせまいマンション。

「うちでやれば、もっとゆったりしたスペースが提供できる。
勝負できるって思いました。」

実際、新田さんのサロンは部屋の窓からは公園と玉川上水の緑が望める最高のロケーションです。

サロンとして使うスペースはそれまでご主人の部屋として使っていた場所。
「昼間は私に使わせて、と頼みました。」

HPやチラシの制作は大学生になった長女が担当。
家族の応援のもと、新田さんの起業はスタートしました。


回り道があったからこそ

「病気や介護、遅い仕事のスタートとたくさん回り道をしました。
でもだからこそ、今の仕事の原点があったと思います。」

リフレッシュガーデン ピーチの料金設定は一般の半額ほど。

「主婦だった頃の私でも払える金額にしています。
利益率は低いです。
自宅で開業しているからできる料金ですが、
それでもやりたいんです。」

こだわりは、この地域でも都心に負けない本物を提供したいということ。

「始めてみて、私の年齢だからできることがあるんだ
ということがわかりました。
年配の方からは『あなただから安心できるわ』って言っていただいています。」

日常の中の、ちょっとホッとできる時間と空間。
そうしたひとときを過ごすことで、また頑張ろうと思えることもあります。



リフレッシュガーデン ピーチはそんな場所としてクチコミで順調に事業が発展し、開業から一年、収益も右肩上がりです。 取材の最後にひとつ質問をしました。

「病気や介護がなければ、もっとばりばり仕事に取り組めたんじゃないですか?
悔いはありませんか?」

「私にはちょうど良かったんだって今は思います。
自由に動けない条件があったからこそ、
子どもたちも自分でちゃんと育てることができました。
なんの制約もなかったら、家庭も顧みないで
仕事にのめりこんでいたかもしれません。」

紆余曲折はあったけれど、自分らしく働く場を自らつくり出した新田さん。
住んでいるまちで、地域の人に向き合いながら、家庭と仕事を大切に暮らす、
マイスタイルな働き方を見つけました。



Mystyle@小平 TOP > マイスタイルワーカー > マイスタイルワーカー